実例から学ぶ! 育毛剤を変える基準はなんだ?
「髪は一日にして生えず!」といった偉人がいたかどうかは定かではないが、険しい道のりであることは間違いない。
最近ではさまざまな育毛剤が発売され、情報を仕入れながら自分に合った一本を使っている人がほとんどだと思うが、当然、途中から別の製品に乗り換える人も少なくはない。
どういった動機で変更したのか? ユーザーの声を拾ってみた。
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最新の研究こそ選択の基準
10年ほど前から額が広くなってきたことに悩んでいたという34歳の男性、武田さん(仮名)は、こう話す。
「僕の場合は脂性なので、ハゲの一因はそれかなと感じていました。20代のころは脂を取り除く働きが強く、ミント系の香りでスッキリするタイプのシャンプーを使って、念入りに頭皮を洗っていました。育毛剤を使い始めたのは30歳を過ぎて、懐に余裕ができてからですね。愛用のシャンプーと同じメーカーの育毛剤です」(武田さん、以下「」内は同)
頭皮の皮脂が毛穴を詰まらせたり、雑菌の繁殖の温床になったりということは、育毛に力を入れている人にとっては常識だ。その対策としてシャンプーに力を入れていた武田さん。育毛剤も同じメーカーのものを選んだというのは、ごく自然な流れである。しかし、2年ほど使ってみた時点で、育毛剤を別のメーカーのものに変えたという。
「理由は単純です。新しく発売された育毛剤の解説を見ているうちに、そっちのほうが効き目がありそうだと思ったからです。育毛剤は日進月歩で進化していますから、より新しく研究が進んだものの方がいいと思うのは当たり前だと思います」
脂性、フケが出やすいなど、より体質に合った育毛剤があるかも?
それから約2年が経過した現在、武田さんはまだハッキリとした結果は出ていないという。しかし、育毛剤を新開発のものに変えたことで、気持ちが非常に前向きになったのは間違いないとのこと。
「気分」がどれだけ育毛に影響があるかはわからないが、ストレスなく続けられるということは大事だ。
肌に合う育毛剤を探せ!
育毛剤には頭皮や毛髪のためになる主成分のほかに、相乗効果を高める補助となる素材、溶媒となる物質や香料などがミックスされている。
いずれも働きや安全性が公的に確かめられ、各企業の研究機関でも調べられているものだが、合わないタイプの人もいる。
42歳の男性、吉村さん(仮名)はこう話す。
「1年ほど前から『さすがに髪が薄くなってきたな』と感じたので、ネットで調べて良さそうな育毛剤を購入しました。使い始めて1か月ほどしたところで、頭のかゆみが強まってきたように感じたのです。鏡で見てみると頭皮が薄赤くなっていたように見えました」(吉村さん、以下「」内は同)
育毛剤を使い始めた以外では、それまでの生活と何ら変わることはなかったという吉村さん。原因が育毛剤にあるのではないかと、その製品を持って皮膚科を受診したそうだ。
「いろいろと検査を受けた結果、アルコールによる刺激が原因との診断でした。私はお酒を飲むことはありますし、健康診断の採血で消毒用アルコールを付けられても問題が起こったことはなかったので驚きました。担当した医師の話では、あるときから急にアレルギーが出る人もいるとのことでした」
吉村さんはそれ以降、アルコール(エタノール)の含有量が少ないタイプの育毛剤に切り替えたとのこと。そこでこんなアドバイスもくれた。
「頭皮を守るつもりなのに体質に合わない育毛剤を使って、傷めつけてしまったのでは元も子もありません。早めに気づいて良かったと思っています。アレルギー検査は、保険適用なら5000円もあれば十分ですから、育毛剤を使ってみようという人は受けておいても損はないかもしれません」
育毛剤を使っている人の実例が一番
色々な機能をうたった育毛剤が次々と発売される中、それにまつわる情報も増殖している。インターネットで調べるのが一般的だが、別のアプローチから育毛剤の選択に至った人もいる。
40歳の男性、宮本さん(仮名)は、一番役に立った情報収集の手段は口コミだったと話す。
持つべきものはやはり友達!?
「30代半ばから、明らかにつむじが広がってきていました。雨が降ってくると、地肌に雨粒が直接当たるのがハッキリとわかるほど。職場で周囲を見渡すと同年代でまだまだ髪が無事な人が多く『なんとかしないと!』と焦るようになりました」(宮本さん、以下「」内は同)
そこで、テレビCMでよくやっていた育毛剤を、宮本さんは使い始めた。しかし一年以上使っても、変化があるようには思えなかったという。毎月数千円を出して何も変わらないのでは意味がない。宮本さんは育毛剤を変えてみようと考えた。
「ところが何にしたらいいのか皆目わかりません。有名な製品を片端から試してみようにも、お金や時間がかかりすぎます。そんなとき、数年ぶりに会った大学の同級生から育毛剤をすすめられたんです」
その人も若くしてハゲ始めたものの、とある育毛剤でハゲの進行が抑えられたという。宮本さんは同級生が使っている育毛剤を教えてもらった。その際に、育毛剤を使いながら行う頭皮のケア方法も伝授されたとか。
「私も疑心暗鬼になっていましたから、最初は同級生が育毛剤のセールスをやっているのかと思ったのですが(笑い)、そんなことはなく親身に相談に乗ってくれました。育毛剤を切り替えて半年ほど経ったころ、つむじの中心あたりに少し髪が増えていることに気がつきました」
最初は気のせいかと思った宮本さん。鏡の角度を変えたり、明かりの向きを変えたりして確かめたところ、髪がうっすら生えてきていることがわかったという。髪という字には「長い友」が使われているわけだが、宮本さんの場合はまさに古い友人が助けてくれた。
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育毛は数か月単位の時間がかかる長期戦。また育毛剤も決して安い物ばかりではない。「もう少し続けたらひょっとして…」と思う人もいるだろう。だが、ときには変える決断も必要だ。迷ったときには、今回登場してくれた3人の使用者の意見を参考にしてほしい。