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数年後に実用化の可能性も! 理化学研究所の発表で話題の「毛髪再生医療」とは?

数年後に実用化の可能性も! 話題の「毛髪再生医療」とは?

AGA(男性型脱毛症)の患者数は、日本皮膚科学会によると1800万人といわれている。日本の男性の数は約6000万人なので、実に3人に1人近くがAGAに悩んでいることになる。これを改善するために育毛剤や発毛剤、毛根移植などさまざまな試みが行われているわけだ。だが先日、近年発達がめざましい再生医療によって、AGAに対抗する技術を実用化するための研究を進めると理化学研究所が発表した。

チャップアップ

◆髪がまったくない場所でも再生が可能!?

理化学研究所が今回発表した研究のベースには、マウスを使った実験の成果がある。同研究所の器官誘導研究チームは2007年、人間の器官のもととなる「器官原基」を再生する細胞を操作する技術を開発。その結果、歯、唾液腺、涙腺、毛包などの再生が可能ということがわかった。

2012年には、マウスを用いた毛包(毛根を包んでおり、毛を産生するほか毛が伸びるための通り道となる組織)の再生についての研究が行われた。皮膚の下に存在する「バルジ領域」(発毛するための命令を出す司令塔のようなもの)の幹細胞から毛包原基を再生し、毛のないマウスに移植した。すると、毛包は再生され、移植した密度に応じて毛が生えてくることが判明した。そればかりか再生毛包は周囲の組織とつながって毛周期まで起こるようになり、毛の生え替わりが持続的に行われるようになったという。つまりこの移植を行うと単に毛が生えるだけでなく、もともとあった毛と同じような動きを示すということだ。

毛髪が発生してから成長し、成長をやめてからは次の毛髪が生えてくる準備を始め、やがて抜け落ち、次にまた新しい毛が生えてくるというサイクルのことを毛周期という。この毛周期が安定的に行われていれば、薄毛になることはない。AGAでは男性ホルモンが変化して発生するジヒドロテストステロンが毛周期を狂わせることにより、短い期間で抜けてしまったりすることが知られている。

毛周期は一生のうちでサイクルの回数が限られている。もし短いサイクルで生え替わりが起こったら、毛を生み出す毛根は消耗し、早く限界に達して寿命が尽きてしまうことになる。髪の大本がなくなってしまうわけだから、その後、再び生えてくることはない。

しかし再生毛包が頭皮に植えられ定着すれば、新たな毛周期が始まり、以前と同じような髪を取り戻すことが不可能ではなくなってくる。

再生毛包では正常な毛周期が期待される

再生毛包では正常な毛周期が期待される

同研究所では、すでに京セラと共同で、毛包原基を作るための幹細胞を大量生産する技術も開発している。今後は毒性や腫瘍ができたりしないかなどの安全性を動物実験で確かめ、いずれ人間の薄毛治療へ実用化していくとのこと。

AGAの治療で使われるミノキシジルなどを用いた発毛剤は、のんでいるときはいいのだが、やめてしまうと効果が薄れてしまうという欠点がある。また、残っている頭髪を移植する手術も、ドナー部分にできないほど髪が少なくなっていたら難しい点が問題だ。その点、再生毛包による方法は、まったくなくなってしまったところに健全な髪を復活させるわけで、希望を与えてくれる治療となるだろう。AGAだけでなく女性の脱毛や、先天的に髪の毛がない人への転用も期待されている。

◆髪を再生できても育毛剤は必要

同研究所は、数年のうちに実用化を目指したいと考えている。だが、これから動物実験を進め、それから人間の臨床試験で効果があると検証されてから、数々の許認可を得て初めて一般的に利用できるようになる。治療が認められてからさらに、移植のスキルを持つ医師やインフラの問題も解消しなければならない。健康保険が適用されるかどうかもわからないし、広く一般化するまでは高いコストがかかる可能性もある。

AGAに悩んでいる人にとって、抜け毛や薄毛の改善は喫緊の課題。髪を再生する治療を受ける日が来るまで、対策を打っておきたい。そこで活用したいのが育毛剤だ。

まず、再生毛包を移植する場所である「頭皮」。育毛剤には、頭皮へうるおいを与えたり栄養を供給したり、血行を促したりして状態の改善を狙ったものがある。また、頭皮に悪い刺激を与えないような素材を配合したりもしている。「ポリピュアEX」「チャップアップ」「イクオス」などはそのタイプ。さらに、「BUBKA」では、頭皮の常在菌のバランスを改善することまで考えられている。

技術が進歩しても髪と頭皮のケアは必要不可欠!

技術が進歩しても髪と頭皮のケアは必要不可欠!

そして薄毛に関係するホルモンに焦点を当てたタイプもある。女性向けでは「デルメッドヘアエッセンス」。女性ホルモンとともに減っていくBMPという、髪の成長を促す物質をサポートする成分が配合されている。男性向けでは「プランテルEX」がそうだ。男性ホルモンの一種であるテストステロンを抑制する植物エキスが配合されている。

再生医療によって髪の毛が復活しても、それを支える頭皮が健康でなければ維持していくことはできない可能性がある。生えてきた髪には良質の栄養を与え、ハリやコシ、ツヤのある髪質を保っていきたいもの。育毛剤や育毛シャンプーは、新しい薄毛治療が実用化するまでの頭皮づくりと、その後のケアのためにも重要な役割があるといえるだろう。