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街によって売れ筋は違う? ドラッグストアの人気育毛剤調査<前編>

「育毛」や「発毛」をアピールした商品は、医学・薬学の進歩で多種多様になってきた。ネットでの販売が盛んで、ネット限定商品と名の付くものも多い。では我々にもっとも身近な街のドラッグストアのラインナップとどう違うのだろうか。

「薄毛が気になって来た」「将来ハゲるか心配」と思いつつ、「ネットで買うのはちょっと不安」という人には、対面販売は強い味方。実際、どんな商品が売れているのか、東京近郊の7つの街で市場調査を慣行したところ、見えてきたことがある。

前・後編の2回に分け、発毛・育毛商品の種類や、ドラッグストアで選ぶ際のポイントなどを紹介しよう。

◆激安商店街に庶民が集まる――板橋区大山

まず、東武東上線の大山駅に向かった。駅近くに「ハッピーロード大山」という商店街があり、ドラッグストアも多く点在する。なぜ大山を選んだかというと「普通の人がどんな商品を買っているのか」を知っておきたかったからだ。何をもって普通かはともかく、板橋区は平均年収が23区内で18位で、決して「セレブな街」ではない。大山の商店街も「激安スポット」として度々メディアに登場している。
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【激安ショッピングモールとして有名な大山】

 

今回、お話をうかがったのは、全国に多くのチェーンを持つドラッグストアA店。仕入れ担当者のKさんが、同店での売り上げベスト3を紹介してくれた。

「髪の毛に関する商品は発毛剤・育毛剤・シャンプーと種類は様々ですが、それらを全て含めると、当店で1番は育毛剤の『薬用毛髪力INNOVATE(イノベート)』ですね。ライオンがDNA研究を元に長年開発をすすめた育毛剤で、特徴としては『発毛促進指令』として働く、2つのタンパク質を増幅させる成分が配合されていること。それに育毛剤としては比較的安いことも売れている要因だと思います」

ここで「発毛剤」「育毛剤」という言葉が出てきたが、これは一体どういう分類なのだろうか。薬剤師でもあるKさんが引き続き教えてくれた。

「薬事法において『発毛剤』は、国から発毛効果が認定されているもので、『発毛』『毛が生える』とハッキリ表記できます。一方、『育毛剤』は発毛効果が現時点では認められておらず、『育毛』『薄毛予防』『発毛促進』などの表現なら認められます」

――国から承認されるには高いハードルを越えなければならないので、発毛剤のほうが種類は少ないようですね。では2位と3位は?

「2位は『サクセス 薬用育毛トニック』。3位は『MARO 3Dボリュームアップシャンプー』です。薄毛を気にしている人向けのシャンプーは、主に頭皮を清潔にしたり、髪のコシを強くしてボリュームアップしたりするのが目的です。この2商品は、いずれの要求にも対応したコストパフォーマンスの良さが、売れている理由だと思います」

――お客様の傾向は何かありますか?

「この地域はやはり、ある程度安くないと売れないですね。もちろん、安ければ何でもいいというわけではありません。お客様には『安くて質もいい』という商品を見極める力が強いという印象があります」

確かに店の中は「激安!」「限定値下げ!」の文字が多く並ぶ。商品説明が付いているのも、大抵、安い価格帯の商品ばかりだ。とはいえ、だからこそ「質のいいもの」に対する“選球眼”が養われるのかもしれない。

【板橋区大山のベスト3】
1位:『薬用毛髪力INNOVATE(イノベート)』(ライオン)医薬部外品
2位:『サクセス 薬用育毛トニック 無香料』(花王)医薬部外品
3位:『MARO 3Dボリュームアップシャンプー』(MARO)化粧品
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【MARO 3Dボリュームアップシャンプー】
(撮影協力:東松山「岡田ドラッグストア」)

◆都庁から歌舞伎町までバラエティ豊かな街――新宿

次に向かったのは、「鉄道乗降客数世界一」を誇る新宿。大企業から都庁、歓楽街まで擁しており多彩な顔を持つ街だ。駅を降りると大きなビルを背景に、多くのドラッグストアや薬局が立ち並ぶ。

駅から徒歩10分ほどの場所にある、ドラッグストアB店の店長に話をうかがった。こちらも全国に展開しているチェーン店だ。
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【バスタ新宿が開業し賑わいを見せる新宿】

 

「うちで一番売れているのは『リアップ』です。ヘアケアではいろんな商品が出ていますが、ここ数年『リアップ』が1位から外れたことはないですね。やはり魅力は発毛成分のミノキシジル配合で、発毛効果が認められているという点でしょう。水谷豊さんのCMで知名度も抜群。次は発毛促進剤の『カロヤンプログレEX  DRY』で、その次にまた『リアップX5プラス』が入ります。やはり発毛剤である『リアップ』は強いですね」

――お客様の傾向は?

「30代からのサラリーマンが多いですね。大学生くらいの若者は、うちで育毛関連商品は買っていかない傾向があります。新宿は様々なものが多く入ってくる街なので、売れ筋商品はけっこう移り変わるのですが、髪の毛に関する売れ筋ベスト3は変わらないですね」

【新宿のベスト3】
1位:『リアップ』(大正製薬)第1類医薬品
2位:『カロヤンプログレEX DRY』(第一三共ヘルスケア)第3類医薬品
3位:『リアップX5プラス』(大正製薬)第1類医薬品

◆髪問題とは一番遠いかもしれない若者の街――渋谷

続いて「若者の街」渋谷に向かった。「センター街」が「バスケットボールストリート」という名前に変わったが、今も昔も若者たちにとっての中心地であることは変わらない。取材に訪れた日も、多くの若者で賑わっていた。若い人が多いからハゲや薄毛に関連した商品は、あまり需要がない感じもするのだが…。
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【一時の勢いは衰えたとはいえ渋谷は相変わらず若者の街】

 

大山と同じチェーン店Aの仕入れ担当者に話をうかがった。

「育毛トニック『サクセス』の『ハーバルシトラス微香性』が圧倒的に1位です。次が『サクセス』の『無香料』タイプ。1位、2位を『サクセス』が占めています。たぶん、ほかの店では無香料のほうが売れてるんじゃないですかね。その次に来るのが『MARO 3Dシャンプー』。山田孝之さんのCM効果でしょうか?」

――お客様の傾向で気づくことは?

「若者が多いですからね。『発毛』や『育毛』というよりは、『抜け毛予防』という気持ちで購入される方が多い気がしますね。意外なのは、ドレッドヘアな ど、髪の毛をいじっているお客さんが多く購入されること。ぼさぼさの髪型なので無頓着に思えますが、頭髪のことをけっこう気にしてるんですね」

ちなみに、池袋で聞いた2店舗でも「サクセス」が圧倒的な人気だった。池袋も若者が多く集まる街。やはり若者は「発毛」より「抜け毛予防」を気にしているようだ。

【渋谷のベスト3】
1位:『サクセス ハーバルシトラス 微香性』(花王)医薬部外品
2位:『サクセス 薬用育毛トニック 無香料』(花王)医薬部外品
3位:『MARO 3Dボリュームアップシャンプー』(MARO)化粧品

◆セレブと外国人が行きかうおしゃれタウン――広尾

次に、渋谷から地下鉄を乗り継ぎ広尾に辿り着いた。広尾は六本木などと並び、外国人が多く出没する街だ。また、高所得者が多く住み、スーパーには高めの商品や海外からの輸入品が多く並ぶ、東京でも有数のセレブタウン。
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【周辺に大使館も点在するため外国人が多い】

 

広尾で20年以上お店を開いている「ドラッグすずき」の店長、鈴木義文さんに話をうかがった。

「『リアップX5プラス』が1番売れていますね。『リアップ』よりもミノキシジルの配合量が5倍多いという商品です。うちでは普通の『リアップ』はベスト3には入りません。2位は発毛促進剤の『モウガ漲(ミナギ)』、3位は『カロヤンプログレEX DRY』です」

――お客様の特徴としては何かありますか?

「外国人のお客さんのニーズに合わせて海外の商品も多少置いています。ですが、売れるのは日本の商品です。外国人のお客さんは『日本製』ということに強い信頼を置いています。むしろ外国の商品を買うのは海外志向の強い日本人なんです。面白いですよね」

――高級住宅が多いので、高い商品が売れそうですね。

「確かに価格帯としては高めの商品が売れています。ただ、この地域は『高いものを買えばいい』というだけではなく、健康意識も高い気がします。育毛関連の商品を買う人は、同時にスポーツドリンクも買っていきますよ。きっとウオーキングがハゲに効果があるという話があるので、それでだと思います」

確かに、広尾にある有栖川記念公園でもウオーキングをしている人が目立つ。『リアップ』シリーズは新宿でも人気だったが、より値段の高い『リアップX5プラス』が1位というのが広尾の特徴だ。また、育毛剤の中で比較的高価格帯の『モウガ漲(ミナギ)』が2位に入ったのも印象的。これは生薬を有効成分とし、毛包を強化するのが特徴の商品。広尾は高級志向と健康志向を併せ持つ街のようだ。

【広尾のベスト3】
1位:『リアップX5プラス』(大正製薬)第1類医薬品
2位:『モウガ漲(ミナギ)』(バスクリン)医薬部外品
3位:『カロヤンプログレEX DRY』(第一三共ヘルスケア)第3類医薬品
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【モウガ漲(ミナギ)】
(撮影協力:東松山「岡田ドラッグストア」)

 

医薬品である「リアップ」は、新宿と広尾での人気が高かった。住宅街を控える大山も中高年層は多いはずだが、意外にもリアップは上位に入ってこなかった。一方、渋谷ではシャンプーに注目が集まっているのは納得の結果といえよう。

後編では「おばあちゃんの原宿」といわれる巣鴨のほか、埼玉県と神奈川県のドラッグストアでも調査を敢行したのでご期待いただきたい。