いまは問題なし? 育毛剤でアスリートが“うっかりドーピング”


スポーツの世界でしばしば話題になるのがドーピングの問題。今年行われたリオデジャネイロ五輪では、ロシア代表チームの組織的ドーピング疑惑が浮上、ロシアチームそのものの出場が危ぶまれるという前代未聞の事態にも発展した。

薬物の力によって筋肉を増強したり、試合中の集中力を高めたりするのがドーピング。その意図がないのに何らかの薬を服用した結果、そのなかに違反物質が含まれており、知らず知らずのうちにドーピングをしていたというケースも多い。たとえば、風邪薬や鼻炎薬などはその代表的なものだが、かつては育毛剤もまたドーピングになりうるものだった。2005年、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、育毛剤「プロペシア」の主成分であるフィナステリドを禁止薬物リストに加えたのだ。

ドーピング

薄毛の原因となるのは、「ジヒドロテストステロン」(DHT)という物質。このDHTが髪の毛に作用すると、毛母細胞の成長が抑えられ、髪の毛が太く育つ前に抜け落ちてしまうのだ。

そして、主に精巣で作られる男性ホルモン「テストステロン」が、5αリダクターゼという酵素によって代謝されるとDHTが作り出される。フィナステリドは、その5αリダクターゼの働きを抑制することで、体内にDHTが作られないようにする物質であり、DHTが減少する結果、薄毛が改善されるというわけである。

◆ヒゲや体毛の育毛剤はNG?

そんなフィナステリドは、筋肉増強剤であるアナボリックステロイドの使用を隠す効果がある。そもそもアナボリックステロイドはテストステロンに類似した物質だ。フィナステリドは、そのアナボリックステロイドの代謝に影響する物質であるため、使用の痕跡を消す効果があるというわけだ。

しかし、ドーピング検査技術の向上もあり、フィナステリドを使っても、アナボリックステロイド使用を検知することが可能となり、2009年にフィナステリドは禁止薬物から除外された。つまり、いまはAGA治療薬を使っても、“うっかりドーピング”にはならないのだ。

その一方で、ヒゲなどの体毛を伸ばすための育毛剤は、ドーピングとなってしまう。男性ホルモンは薄毛の原因となるが、逆にヒゲや体毛は男性ホルモンが多いと増える傾向にある。つまり、ヒゲなどの育毛剤には、アナボリックステロイド(男性ホルモンに近い物質)が含まれているのだ。

過去にはラグビー日本代表候補選手やサッカー韓国代表選手が、ヒゲ育毛剤の使用で出場停止になったことがあるが、世界的に見てもごくまれなケースだ。

とにかく、プロペシアなどの育毛剤に含まれているフィナステリドはドーピングとならないが、ヒゲ育毛剤などの男性ホルモンに近い薬はNGというのが現状。薄毛を気にするスポーツ選手が頭髪育毛剤を使っても、まったく問題ないのだ。

おすすめの育毛剤

  • plantel01
    研究員のコメント
    M字ハゲに悩む男性に支持されているのが、このプランテルです。女性ホルモン作用のあるヒオウギエキスを配合し、M字型薄毛進行の原因となる男性ホルモン「テストステロン...

関連キーワード