【最新レポート】髪の毛を作るために重要なミネラルの働きとは?


タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質、アミノ酸など、人間の肉体はいろいろな栄養素を取り入れることで健康のバランスを保っている。また、特定の部位や組織に重要な役割を持つ成分も少なくない。毛髪も同様で、構成する物質を作ったり血行を改善したりするために不可欠な要素がある。私たちが日常的に摂取しているある物質が、毛髪に大切な役割を果たしていることが大学の共同研究で解明されたという。果たしてその物質とは…?

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毛髪に大切なのはカキにも多い、あのミネラル

◆亜鉛はどうやって摂取する?

2017年10月24日に、徳島文理大学と昭和大学と理化学研究所で構成するグループが、研究発表を行った。それによると、毛髪を作り出すための重要な器官である毛包と、表皮の形成のキーとなる物質は「亜鉛」であるという。これはどういうことなのか? 報道発表資料を元に見ていこう。

同グループは、皮膚や骨や筋肉に多く含まれる亜鉛が減少すると、「亜鉛欠乏症」が起こることに注目。これは皮膚炎や骨密度の低下、味覚異常、免疫不全などを引き起こす。症状として顕著に表れるのが抜け毛や皮膚の表皮がもろくなることだ。特に皮膚とは密接な関係があり、亜鉛の欠乏によりひどい皮膚炎が起こることもあることがわかっている。

ところがこれまで、亜鉛の摂取と髪や皮膚との関連は指摘されていたものの、毛包や表皮を形成するための細胞で、どのように働いているかハッキリとはわかっていなかった。

亜鉛の何がカギとなるのか? 研究では、皮膚の毛包に現れる「亜鉛トランスポーター」という、亜鉛を運ぶ物質の「ZIP10」という輸送体を調べることに。亜鉛はこのトランスポーターを介して全身の細胞に行き渡るという。実験は、マウスと培養細胞を用いて行われた。ZIP10遺伝子がないマウス、つまり亜鉛が適切に体内で運ばれないマウスを作り、表皮の状態がどうなるかを調べたのだ。

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亜鉛が細胞に行き渡らないと毛髪が作られにくくなる!?

そこで判明したのは、ZIP10がなくなると表皮の形成がうまくいかなくなるということ。これにより、皮膚のバリア機能まで失われてしまうという事態が生じた。そしてもう一つ見逃せないのが、毛包の形成まで阻害されていたということだ。また、表皮や毛髪を作るときの「p63」という転写因子(遺伝子の情報を転写することを促進したり抑制したりするタンパク質の一種)の活性が低下することまでわかった。

さて、亜鉛が各細胞にしっかり運ばれることが、皮膚や毛髪を作り出すために非常に重要でることはわかった。それが今後、どのように役立つのか? 同グループによると、老化による毛髪や皮膚の衰えをはじめ、皮膚炎や脱毛症などの治療法の発展につながるだろうと分析している。

◆亜鉛はどうやって摂取する?

ところで、私たちはその亜鉛を十分に摂っているのだろうか。厚労省が発表した『日本人の食事摂取基準(2015年版)』によると、成人の1日あたりの亜鉛の摂取基準は、男性10ミリグラム、女性8ミリグラムとのこと。ところが、2015年の『国民健康・栄養調査結果』では、20歳以上の男女の亜鉛の摂取量は8ミリグラム。やや足りないという結果となっている。つまり、髪の毛を作る細胞を元気にするための栄養素が不十分ということだ。

対策としては、日常の食事で亜鉛を含むものを食べることがベストである。亜鉛が多い食材は、レバー、牛肉、豚肉、卵黄、チーズといった動物性タンパク。カキやサザエなどの貝類にも豊富に含まれている。特にカキはミネラルの優良食品として知られている。そば、ごま、あずき、インゲン豆といった豆や穀類のほか、紅茶や緑茶もいいそうだ。

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サプリは頼りすぎに注意

ただ穀類や乳製品はアレルギーの問題もあるので、どうしても食べられない人は亜鉛のサプリという手もあるそうだが、飲み過ぎは禁物とのこと。その理由は、亜鉛を過剰に摂取すると今度は銅の吸収が阻害されてしまい「銅欠乏症」を引き起こす可能性があるからと、厚労省でも注意喚起を行っている。銅が欠乏すると、貧血や血管系の病気の原因になるという。

くれぐれも勘違いしてはいけないのは、「亜鉛を摂れば髪の毛が生えるぞ!」ということではなく、日常的に十分な量を意識することだ。髪の毛のことになると、ついいろいろなことを試してみたくなるが、極端な行動は慎もう。

最近の育毛剤は「頭皮を守る」「頭皮の状態を改善する」というコンセプトで作られているものが多い。育毛剤の成分によって頭皮にバリアを張り、うるおいをキープすることも重視されてきた。亜鉛の欠乏はバリア機能の低下につながるというから、せっかく育毛剤で頭皮環境を良くしようと思っても、自分の体が不健康では意味をなさなくなってしまうだろう。

さまざまな研究によって、抜け毛や薄毛対策には何が必要かが明らかにされつつある。せっかく使っている育毛剤を無駄にしないためにも、まずは日常の食生活から見直していきたい

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