育毛のプロに聞いた!「育毛剤の植物有効成分」最新事情


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育毛剤に使われる植物素材の働きとは?

育毛剤にはさまざまな有効成分が含まれている。頭皮環境の改善、毛根の活力強化、保湿力向上、髪にハリとコシを与える…など、各メーカーとも研究に研究を重ね、ベストな配合を追究しているのだ。ちなみに、最近の主流は植物性のエキスだが、それはどのような働きを持っているのだろうか? 実際に頭皮ケアなどに活用している肌と髪のプロに、代表的な素材とその働きを聞いてみた。解説は、東京都渋谷区の育毛サロン「リッツ渋谷店」の赤羽彩さん。市販されている育毛剤にもよく使われている、各種の植物エキスについて解説してもらった。

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◆古来からの薬草にも細胞活性化成分が!

当店の育毛施術で使用している、和漢植物エキスについてお話ししていきましょう。育毛剤の多くは、1つの成分をメインに効果の高い配合を行って特長を出しています。

まず、育毛と大きく関連する素材では「オタネニンジンエキス」があります。ウコギ科のオタネニンジンの根からエキスが作られるものです。これには、毛髪の根元にある毛母細胞を活性化する働きがあるのです。

多くの育毛剤に配合されている成分として有名なのは「センブリエキス」。これも施術で活用しています。リンドウ科センブリの全草を使って作られるエキスで、古くから薬草として知られ、江戸時代は町のお医者さんが治療に使っていた記録があります。センブリは血行を促進するほか、やはり毛母細胞の活性化という働きがあります。

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水辺に自生しているクレソンはサラダ材料だけでなく育毛にもいい

育毛で注目が集まっている素材としては「チョウジ」のエキスがあります。フトモモ科のチョウジという植物のつぼみから精製されます。ハーブやお料理に詳しい人には「クローブ」という名前でよく知られていると思います。このエキスの特長は、AGA(男性型脱毛症)を引きおこす、「5α-リダクターゼ」という物質を阻害する働きがあることです。

5α-リダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素です。AGAによる脱毛は男性ホルモンのすべてが悪いわけではなく、変換されたジヒドロテストステロンが問題なのです。毛乳頭細胞にある、ジヒドロテストステロンの受容体と結びつくと、抜け毛を促してしまうのです。ですから、5α-リダクターゼの分泌を抑えることが薄毛予防につながるのです。

また、「セファランチン」という、ツヅラフジ科植物の根から抽出精製される「タマサキツヅラフジアルカロイド」というエキスは、血行促進の働きが強く、毛母細胞の機能を高めます

海藻類の成分も注目されています。北海道の函館近海にのみ生育する「がごめ昆布」から抽出される「ガゴメエキス」です。F-フコイダンという物質が、細胞の活性化と育毛促進を助けるのです。

さらに、ヒノキから抽出されるエキス「ヒノキチオール」。これにも、毛母細胞を活性化させる作用があり、抗菌効果も知られていることから、フケやかゆみのもとになる菌の繁殖を防ぎます

オランダカラシ」というアブラナ科の植物のエキスも細胞の活性作用があるため、よく使われます。フランス名は「クレソン」で、サラダなどに入っている野菜として知られています。

◆頭皮ケアに重要なエキスとは?

育毛は、毛母細胞や毛乳頭細胞以外に、頭皮環境を改善していくことも重要です。次に紹介するのは、頭皮や髪そのものの質を高めていく成分です。

アロエベラ」。名前の通り、ユリ科アロエ属の植物です。観葉植物としても知られるアロエの仲間ですね。ミネラルやアミノ酸を含んでおり、肌の保湿作用や消炎作用を持っています。そのため頭皮環境を改善し、フケやかゆみの予防にも役立つのです。当店で使用している育毛シャンプーにはアロエベラエキスが入っているので、頭皮が荒れている方や、敏感肌の方にも安心です。

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アロエのエキスは頭皮の保湿効果が高い

カンゾウ」というのも、育毛剤でよく使われる植物です。漢方の風邪薬に入っていたりもしますから、名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。これはマメ科カンゾウの根から抽出されるエキス。育毛剤の成分としてポピュラーな、グリチルリチン酸ジカリウムを含み、抗菌・消炎作用を持っています。

大豆から抽出される「ダイズエキス」も、髪に良い影響を与えます。イソフラボンで有名ですが、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促す働きがあり、保湿に貢献するのです。潤いやハリを出すのに役立つエキスです。

また、ナス科の一年草であるトウガラシの果実から作られる「トウガラシチンキ」。これに含まれるカプサイシンはトウガラシの辛みの主成分で、体を温める効果などでご存知の方も多いと思います。髪に関する働きとしては、毛根の刺激になり、かゆみの防止にもなるのです。

その他、「ゴボウエキス」「ニンニクエキス」など、おなじみの野菜から作られるエキスにも血行や代謝を促す作用があります。

◆男女それぞれに合う成分がある?

いろいろな特徴を持った植物エキスの中には、男性の薄毛にいい働きを持つものや、女性向けのものがあります。基本的に、細胞活性化や血行促進作用があるものは男女共通ですが、使い分けは次のようになります。

男性向けでは、男性ホルモン(テストステロン)への影響が関連してきます。そのため、AGAの原因となる5α-リダクターゼを阻害するオタネニンジンエキスアロエエキスヒノキチオールオランダカラシ。DHTの働きを抑えるチョウジエキスも男性向けですね。男性は女性より、食生活や自律神経の乱れやホルモンバランスの影響で皮脂分泌過多になりやすいので、皮脂抑制力のあるビタミンB2配合製品が使われます。

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男性にいい育毛成分、女性の髪に向いている成分も覚えておきたい

女性では、アロエエキスダイズエキスなどを配合したものをオススメします。女性ホルモンに関係するエキスを使用するのが、男性との大きな違いですね。大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをします。女性ホルモンは年齢と共に減りますし、妊娠出産や更年期でもバランスが乱れますから。また、睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れからホルモンバランスが崩れ、コラーゲンなどの保水力が減少するため、保湿性の高い素材が向いています
当店の場合、育毛コースで使用するシャンプーやトニックは、数種類の植物由来の成分配合で、無添加、無着色、無香料、無パラベン、無鉱物油、ノンシリコンです。多くの育毛剤は、水をベースに有効成分を配合していますが、当店で使用するトニックは、アロエベラ液を特殊な製法で絞り、有効成分を配合しています。

植物関係では、オレンジやラベンダーのアロマを配合したオイルやシャンプーがあり、香りでリラックスしていただけるリラクセーションを重視したヘッドスパも行っています。とても良い香りのアロマやハーブの作用で緊張をほぐして自律神経を整え、頭皮のマッサージで血行を促進するのです。

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各種の育毛剤やサロンなどで使用される頭皮ケア製品には、各社知恵を絞って植物性エキスが効果的に働くような配合を行っている。育毛剤を使うとき「いま、あの成分が毛根を活性化させているんだろう」と、効果を想像しながら頭につけるのも、モチベーションアップにつながっていいかもしれない。

取材協力:リッツ渋谷店 
住所:東京都渋谷区渋谷3-17-4 山口ビル2F
電話:03-6418-5075

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