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「全力でハゲを愛す」第2回 尊敬に値するモテM字ハゲ発見!

ハゲが愛おしくて仕方のない、「美人」とか「カワイイ」とか言われて調子こいていたけどとあるアイドルオーディションの二次審査に受かったものの「受かった理由」ともいえる審査時の動画と写真を見た人々から「デブ」「ブサイク」と散々言われ「あの日はコンディションが最悪だった」的な言い訳をし続けている28歳フリーライターの女、シマヅです。

前回のコラムで、私は「ハゲはナゼ世間から悪しざまに扱われているのか」について「そうさせているのは世間ではなくハゲている男性自身」「ハゲた今の自分を若かった過去の自分と重ね憂いても杞憂に過ぎない」「ハゲはもっと誇っていい、それは経験値を積んだ証――つまりハゲはレベルの高い“勇者”と同じだから」との(自分なりの)結論を導き出した。

つまり、「ハゲを悪くしているのはハゲている男性自身」「フサフサ時代と比べる意味なし」「ハゲは勇者の証」が、この連載の三本柱である。今回はそれらを前提にしつつ、「男性が『ハゲ』と言われた場合に味わうツラさ」と「適切な対応」を、女性の場合と置き換え妄想を交えつつ語りたいと思う。

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◆男性にとっての「ハゲ」=女性にとっての「ブス」――事実

女性は、男性より「ブス(ブサイク)」と言われることに敏感ではないだろうか。

男性は、女性より「ハゲ」と言われることに敏感ではないだろうか。

見た目を悪く言われるのは、相手からの拒絶をダイレクトに感じとれて嫌なものだが(何度でも言うけど私はハゲを悪いとは思っていない。あくまでも一般的な感覚の話)、「ブス(ブサイク)」と「ハゲ」は浴びせられたのが男性か女性かによって深刻に受け止める度合いに結構な差があると思う。男性の容姿をボロクソに言う際、よく使われるのは「チビ」「デブ」「ハゲ」だ。しかし、女性の場合、「チビ」や「ハゲ」は罵倒の対象としてあまり使われず、「ブス」が多用される。これが根拠だ。これしか根拠がないのかと言われるとぐうの音も出ないので、止めてほしい。ちなみに、「デブ」は男女兼用の罵倒用語だし自己管理がなっていないとか言われるのでデブは頑張って痩せましょう(私も頑張ります)。

悪口を言われたら、嫌な気分になる。私はネットでブスだブスだと言われすぎてもう慣れてしまい、ムカついたり悲しくなったりすることはなくなったが、たぶん「ネットで言われること」に慣れただけであって、もし「目の前」で言われたら泣くかもしれない。私に限らず人間なら普通、目の前で悪口を言われたら泣くとか怒るとか表情が強張るとか、なにかしらマイナスの反応が出るだろう。

しかし、「ブス」と言われても(内心は穏やかじゃないかもしれないが)ネタにして笑っていられる女性もいる。そういう人は、まず間違いなく得をするのである。少なくとも、なんとなく性格がよさそうに見える。タレントの渡辺直美さんがいい例で、実際の性格の良し悪しは知る由もないのだが、性格がよさそうに見えて世間からの好感度が高い。これが根拠だ。これしか根拠がないのかと言われるとぐうの音も出ないので、止めてほしい。――同じように、「ハゲ」と言われても笑ってネタにできる男性は、間違いなく得をするのだ。ハゲだけど性格がよさそうで素敵、と思う女性がたぶん続出する。たぶん。

シマヅ連載ハゲLOVE2-1

目の前で悪口を言われても内心はどうあれ笑ってネタにできる、要は弱点を個性に変える努力ができる人は、心の底から尊敬する。そんな、尊敬できる愛しのハゲと先日出会ったので、紹介しよう。

◆「あのハゲ、絶対に〇〇なんだろうなぁ」――妄想

先日、新宿のアルタ前で待ち合わせをしていたところ、職場仲間と思しき男女6人組が近くでワーワー騒いでいた。「うるせぇな…ムカつくから会話盗み聞きしてやろう」と思い、耳をそばだて…なくても勝手に耳に入ってきたのだが、どうやらひとりのハゲ男性がほかの男性メンバーから「帰れよハゲ!」「俺、お前みたいなハゲ方したくないわー」「ハゲがうつるから隣に来るな」と、凄まじいハゲ攻撃をされていた。

そのハゲ男性は、残った頭髪が頭頂部から襟足までほぼ同じ長さなのだが丸坊主に近い、例えるなら「芝生」みたいなカットを携えたM字型のハゲ。その髪型のせいでM字ハゲがより強調されており、「どこでどういう注文でそのカットにされたんだ。M字ハゲのアピールにしかなってない。個人的には目の保養になるので嬉しいが、罵倒のためにハゲを使う人間の恰好の餌食になるじゃないか。現に、今がそうだ。あなたの心は大丈夫なのか?」と心配になったけれど、彼の対応は私を安心させてくれたうえに予想外の笑いまで与えてくれたのである。

「うるせー! お前らと違って俺はハゲてるから精力バッキバキなんだよ! 経理の〇〇さんにまで『これは認められないですね…。××さんはハゲてて性欲強そうですし』って、交通費の申請をしただけなのにバレちゃうくらいなんだからよ!」と、よく分からないがなんとなく分かるハゲ特有の自虐ネタを披露したのだ。

メンバーの女性も、さっきまで(たぶんお酒が入っていたので)攻撃的だった男性陣もゲラゲラ笑いだした。「やっぱ俺、お前のこと嫌いになれねぇわ」とフサフサ頭から意外な言葉まで出た。

シマヅ連載ハゲLOVE2-2

ここからは、彼をとりまく一連の流れを見たあとの私の妄想になるが、たぶん事実(現実)と合っているだろう。

このM字ハゲは絶対にモテる。会社に「××さんを愛でる会」的な非公認ファンクラブとか絶対ある。

ジュード・ロウのようなイケメンではない、きわめて普通の日本人顔で少しノンスタ井上氏に似ていた彼(事実だが私の裁量なのでほかの人にはどう映っているか分からん)。そんなの、第一印象は「うわぁ…ハゲてるのに髪型がハゲ強調してる…。ツッコみ待ちなのか失敗しただけなのか分からん。どう接すればいいのか。他人でしかも職場の人を悩ますなんてクソだろ。なんだコイツ」と思われるのは当たり前だ。

しかし、ハゲを個性に変え笑いにまで昇華させた彼のその後は、手に取るように分かる。「コピー機の紙ないよ! 最後に使ったの誰!? 補充しといて!! 俺の髪はなくても補充できないんだから!」とか「残業かぁ…。お疲れ。でも、残るものがあるのって実はいいものだよ。『まだある! まだある!』って思うと元気出てくるもん。俺の頭髪を見てると」とか、若干寒いんだけどジワジワと心が温まるセリフを息をするがごとく繰り出している。

すると、職場および社内では「あの人がハゲているおかげで和むね」といった評価になり、まずは女性から支持される。バレンタインはチョコとかいっぱい貰っている。美人な奥さんと可愛い子ども3人とデッカイ黒い犬と暮らしている。

こうなると、男の嫉妬も凄い。大事な書類をシュレッダーに入れられるなんて珍しいことではない。しかし、粉砕処理後の書類を発見し「ハゲなのに俺のチ〇コのサイズ、このひとかけらに負けてる…」とか、やっぱり若干寒いんだけど男性向けに下ネタで対応する。

そんなのを続けられたら、ハゲなのにモテる男への嫉妬むきだしだった男性社員も「こいつハゲなのに憎めないしなんかかわいそうというか可愛く思えてきたから手を休めてやるか」となり、いつのまにか男性からも「ハゲでカワイイ♪」と思われるようになる。

以上で妄想は終わりだ。事実無根だし効果なんて保証できないが、とにかくハゲの男性には常にハゲをネタにして笑ってもらえるようになるといいことしかないから、その方向で頑張ってもらえると嬉しいです。私は目の前で「ブス」と言われたらいつまでも激怒するけど。

イラスト・文/シマヅ