「全力でハゲを愛す」第1回 ハゲは勇者そのものだ!


「ハゲ」は、世間から悪しざまに扱われすぎではないだろうか?

筆者の名はシマヅ。ハゲを愛してやまない女で、先日28歳になったばかりのフリーライターだ。

正直、なぜハゲが「悪い」のか、私には分からない。「ハゲが偉そうなこと言うんじゃねぇ!」「キモいんだよハゲ!」のような、(戯れの場合を除く)罵倒や軽蔑の例えに使われているのを見聞きすると「ハゲは根本的な問題じゃないと思うしハゲ可愛いよ、ハゲ」としか思えない。また、「俺ハゲだから(笑)」「ハゲですけど大丈夫ですか?」のような、自虐や配慮の対象として扱われているのを見聞きしても「別にアンタがハゲてても私に直接的な害はないしハゲ可愛いよ、ハゲ」としか思えない。

要するに、私はハゲを「ハゲ可愛いよ、ハゲ」としか思えないので、なぜ人々がハゲを毛嫌いするのか分からない。それほどの、ハゲ愛好家なのだ。

ということで、この連載では、ハゲに全力の愛をそそいでいる私が、ハゲの素晴らしさなどについて語っていこうと思う。

シマヅ連載ハゲLOVE1-1

◆ハゲはナゼ「悪い」のか?

ハゲへの愛を語るには、今まで分からなかった、いや、もしかしたら「分かろうとしなかった」のかもしれない、世間がハゲを悪しざまに扱う理由について自分なりに分析し、それでもハゲを愛おしいと思えるのかを自分に問わなければならない。

導き出した答えは以下だ。

まずは、世間がハゲを悪しざまに扱う理由について。

根本的な部分からいうと、ハゲることについて男性自身が「老いの象徴」だと捉えている感が強い。女性の場合に置き換えると、「シミやシワが増え肌の弾力も衰えた。ピチピチだったころの私じゃなくなってしまった! 『あのころ』に戻りたい!」と思うのと同じだろう(私は毎日、思っている)。

つまり、若くてイケイケで毎日が楽しく、悩みといったら自分探しでバックパッカーしようかなと考えるクソみたいなレベルのモラトリアムしかなかった「あのころ」への回帰願望がもたらす、老いた自分への強烈な嫌悪感が、ハゲを悪にしている。

じゃあ、なぜ男性だけでなく女性もハゲを嫌悪するのかというと、たぶん女性は「すべてのハゲ」が嫌いなわけじゃなく「汚らしいハゲ」が嫌いなのだ。

汚らしいハゲの代表格といえば、俗にいう“バーコードハゲ”である。あれはダメだ。ハゲが愛おしくて仕方のない私でさえ、バーコードハゲだけは受け入れられない。理由は簡単で、ハゲを隠したいのは分かるが、残っている毛髪を不自然な形でスタイリングし、かつそのセットされた毛髪の隙間から見える頭皮によってハゲがより強調されて見え、スゲェ痛々しいからだ。

「ハゲとかマジムリ超キモい~」とか言う女性でも、(過去にハゲている男性に何かされてトラウマになっている人以外)「マジムリ超キモい」の対象はバーコードハゲのような「不自然で痛々しいハゲ」であって、「世のすべてのハゲ」ではないのだ。…たぶん。

ここまで書いて、ハッとした。

世間は、ハゲを悪しざまになど、扱っていない。ハゲを悪いものとしている原因は、ほかならぬ「ハゲている男性自身」なのだ。

◆だからこそ愛おしいハゲ

「悪いものとしてのハゲ」を分析した結果に、異論がある人もいるだろう。しかし、お前らの意見など、どうでもいい。私はハゲを愛する身として、今まで考えてこなかった「悪いハゲ」と、自分のなかで真剣に向き合った。それでもハゲを愛せるか? と自分に問うた。

愛せる。ハゲを愛せる。むしろ、前より愛おしく思えて仕方がない。

ハゲなんて気にしなくていい! ムリにハゲを隠して不自然な髪型になって気持ち悪がられるなんて本末転倒! ハゲたってことは、歳を重ねていろんな経験を積んだ証! ハゲていようがハゲていなかろうが、今のアンタは今のアンタだ! レベルアップした勇者なんだよ!

…いますぐ、こう叫びたい気分だ。

ハゲている男性には、18歳前後の若造より魅力が詰まっている。

シマヅ連載ハゲLOVE1-2

例えば、先日の夕方に渋谷のドトールで私の隣りに座っていた男性。おそらく40代前半で、デコから後退していくタイプのハゲだ。黒のスーツに白いカッターシャツ、落ち着いた色で柄も派手じゃないネクタイを着用していたことから、お堅い職場か営業のお仕事の方だと推測。毛根が敗戦してずいぶん経っているであろうデコに、脂汗がキラキラと輝いていた。

アイスティーを飲んでいた彼は、カバンから手帳を取り出し数分間その中身をチェックした後、突如、慌てた様子で時計を確認。急いでアイスティーを飲みほし、手帳もカバンに収めたので「すぐ帰るのかな」と思いきや、なんと! 男性用のスキンケアシートで、デコの脂汗を丁寧に拭き取りだしたのである!

企業戦士の証ともいえる、デコの脂汗を、彼は数秒で「亡き者」にした。席を立った後、会社に戻ったのか営業先に向かったのかは定かではないが、脂汗をかくくらい朝から頑張って仕事をし束の間の休息時間まで満足に過ごせなかったというのに、仕事の相手に不快感を与えないよう、ハゲているからこそ余計目立つ脂汗を、頑張りの印であるにもかかわらず躊躇なく消し去った。

若造だったら、これ見よがしに「すみませーん」とか言いながら汗ダラダラ脂テカテカで「頑張っている自分アピール」をするだろう。他人のことなど何も考えずに。

その点で、件の男性が自分のことより相手のことを考えて行動できる大人なのは明らか。頭髪と引き換えに得た、人生の経験値の賜物であろう。

ハゲは、愛おしくてカッコよく、ときにカワイイ、勇者そのものなのだ。

…今回は、第一回目ということで余計な部分(ハゲ自論)が入りましたが、次回からは例えの部分のような感じで、街で見かけた愛しのハゲたちをレポートしていきます。

よろしくお願いします。

イラスト・文/シマヅ

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