皮膚科医が教える育毛効果を上げる生活習慣3つのポイント


えみ子皮膚科クリニック 澤村栄美子院長

髪や肌にトラブルが起こったとき、すぐに頼りになるのは最寄りの皮膚科であることは多い。横浜市の「えみ子皮膚科クリニック」も、シミやニキビ、アトピーから脱毛症まで幅広く対応している“町のお医者さん”の一つ。同クリニックの澤村栄美子院長に、抜け毛の治療で大切なことは何かうかがった。

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澤村院長の医院はAGA、円形脱毛、アトピー性皮膚炎、シミ、シワなど肌と髪の総合クリニック

 

◆女性は年齢以外の要因による抜け毛に注意

「えみ子皮膚科クリニック」が開業したのは、2001年。以来、地域の皮膚科として乳幼児から90代の高齢者まで幅広い患者さんを診てきた。男女比は7:3で女性が多いという。頭髪の悩みで来院する人は、1日平均5~6人。現在は澤村院長の他、4人の医師が治療にあたっている。

「頭髪に関しては『僕はAGA(男性型脱毛症)ではないか?』と来院されるのは、若い方では20代からいらっしゃいますね。客観的に見るとまったく問題ない人でも、お父さんやお祖父さんの髪が薄いと気になるようです。また友人などから『薄くなってない?』といわれると、不安が増大してクリニックを受診しようという動機になるようです。

20代では、来院されて問題ないとわかるとそれ以後は来られないことがあるのですが、30代以降ですと再来院される率が高くなり、50代以上では、ほぼみなさんリピートされます。やはり危機感が高まるからでしょう」(澤村院長、以下「」内は同)

男性のAGA治療では基本的に、最近の主流となりつつあるAGA治療薬の「ザガーロ」を処方する。また、中高年になると、毛髪のトラブルを訴える女性も増えてくるという。

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クリニックは横浜市のJR石川町駅からすぐの商店街にある

「女性では、髪の悩みは40代からが多くなります。抜け毛となると60~70代の年齢層で急増します。中高年から増えるのは、更年期の影響を受けるからだと考えられます。男性の脱毛症はほぼAGAか円形脱毛なんですが、女性の場合は更年期以外に病気が関係していることが少なくありません。ある患者さんは髪や眉毛が抜けるというのでくわしく検査をしたら、甲状腺機能の低下が見つかったことがありますし、全身性エリテマトーデスという膠原(こうげん)病でも、脱毛が起こります」

皮膚科の領域ではカバーできない病気による脱毛の可能性があるときは、専門の診療科による治療を薦めることになる。

ところで円形脱毛症というと、ストレスが原因とよく聞く。この場合は、ストレスを緩和させる治療ということになるのだろうか。

「円形脱毛症はストレスとの関連が一般的に指摘されますが、実は精神的なものがどれだけ関係するかは、まだハッキリとはわかっていないのです。でも炎症性サイトカインという物質が関連していることはわかっています。そこで、これを抑える治療として紫外線照射を取り入れることがあります。紫外線の働きで、脱毛が起こっている患部に集まってくる炎症性細胞を叩くのです。同時に紫外線は、毛母細胞と隣接している色素細胞も刺激して、毛根を活性化させる働きもあると思います」

髪の大敵と思われていた紫外線が、脱毛症の治療に活用されているとは驚きだ。他には液体窒素を使う治療法もある。ただしこれらは「毛根が元気である」ことが条件となるので、年齢が高くなるほど効果が出にくくなってくる。

◆診療からわかった生活習慣のポイントとは?

では毛根が元気でいるためにはどうしたらいいのだろうか? 澤村院長は患者さんに「末梢の血流を改善する」ことをアドバイスしているという。

「人間が健康であるためには手足の先や頭部など、末端まで血液が順調に流れていくことが重要です。年を取ると末梢血管が硬くなったりもろくなったりということが起こることは、みなさんもご存知でしょう。特に50代以降は毛細血管の衰えが著しくなってきます。最近では、機能しなくなった末梢の血管を“ゴースト血管”なんて言い方をしますが、これを作らないような生活習慣が、髪にも良い影響を与えることになるんです」

生活習慣の改善などと聞くとストイックな生活を想像して、なんだか気が重くなってしまいそうだが、澤村院長は「食事」「入浴」「ストレッチ」の3点を覚えておけばいいと話す。

「食事では炭水化物より、たんぱく質を多めに摂るように心がけてください。脂身の少ないお肉がオススメですが、豆腐やチーズでもかまいません。鉄分、亜鉛も意識して摂ってほしいと思います。これらの栄養素は、血管や毛根の細胞を作る材料となるのでとても大切なのです」

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肉は血管や毛根を作る大切な材料になる

「入浴では、頭を湯船につけると血流の改善につながります。仰向けになって背泳ぎのような格好で、後頭部からつけてみてください。滑って溺れないように注意してやりましょう。

ストレッチは、特別なストレッチ法でなくても大丈夫です。腕や足を伸び縮みさせる、ごく一般的な方法でいいので、1日に5~10分やってみてください。最近の育毛剤が、頭皮の血流促進というコンセプトで作られていることからも、末梢血管の大切さがおわかりになるかと思います」

この3点を心がけることが、末梢の毛細血管の元気につながる。さらに頭の血行をよくしたければ、頭皮を「指圧」する。「揉む」のではなく、指の腹で押してやるといいとのこと。

「男性のAGAでは治療薬は強い味方ですが、すべての患者さんに効果てきめんというわけではなく、高い効果を上げている人となると5割程度です。そこで大事になってくるのは『体づくり』。私の診療経験から、末梢の血流をよくすることは育毛だけでなく、イボや赤ら顔の治療の効果も高めていました。

末梢の血流は、体を若く健康に保つためにもとても大切。育毛に励んでいる人はもちろんですが、若い方もご高齢の方も、前述した血流アップの3ポイントをお試しになることをオススメします」

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食事や運動が大切であることは頭ではわかっていても、コンスタントに実行するのはなかなか難しい。しかし、澤村院長が教えてくれた生活法は、とても簡単だ。医師の診療経験から得たものというのも心強い。頭皮や毛根に活力を与え、育毛剤や治療の効果を高めるために今日から実践してみよう!

 

DSC_3914澤村栄美子(さわむら・えみこ)/えみ子皮膚科クリニック院長。医学博士/1989年、東京女子医大医学部卒業後、同大学付属病院皮膚科に入局。1994年、皮膚科専門医となり、在職中「シミ」の研究により学位を取得。2001年、えみ子皮膚科クリニックを開院。アトピー性皮膚炎、ウイルス性イボ、シミ、シワ、ニキビなどの治療に定評。著書に『女医が教える! 「目からウロコの家庭の皮膚医学」』(文芸社)

【データ】
住所:神奈川県横浜市中区石川町1-12 プラザセレス石川II 2階
電話:045-664-6004
公式サイト:えみ子皮膚科クリニック

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