残っている頭髪を移植し薄毛を救う! 「自毛植毛」のトップランナー


親和クリニック 音田正光総院長

失った髪の毛を取り戻すために、発毛剤や育毛剤などさまざまな方法が試されている。「髪の毛を植える」という治療法も知られるようになってきた。自分の髪の毛が残っているところから、ハゲてしまった部分に植え替えるのである。「自毛植毛」の第一人者、「親和クリニック」の音田正光総院長に聞いた。

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◆移植した場所への定着率はなんと95%以上!

植毛」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。その名の通り髪の毛を頭皮に「植える」治療です。私が行っているのはご自身の毛髪を残っているところから採取して、薄くなってしまった部分に移植する「自毛植毛」。もともと自分の体が持っていたものですから、拒絶反応は起こりませんし、髪質に対する違和感もありません。毛包組織そのものから移植するので、移植した毛髪は生涯にわたり生え変わり続けます。自毛植毛での生着率は95%以上です。日本皮膚科学会でも「勧められる治療」として評価されています。

AGA(男性型脱毛症)では、額や頭頂部は薄くなりますが、どんなに進行しても後頭部の毛髪は残ります。男性ホルモンから作られるDHT(ジヒドロテストステロン)の受け皿となる受容体が少ないからです。自毛植毛は、ここから毛根ごと植え替えてしまうのです。この受容体も一緒に移動するので、移植した毛髪は頭頂部であっても再びAGAが進行するということはありません。

「移植」というと、メスで切って縫い付けることを想像されると思います。確かに、後頭部の一部の皮膚を切り取って、薄くなった場所へ移植する「ストリップ法」という方法は従来より広く一般的に行われています。しかし、当院が行っている「MIRAI法」という自毛植毛法では、メスを一切使わず、質のよい毛髪を見極めた上で、毛根ごと一株(一毛穴)ずつ0.8ミリ程度の極細のパンチで採取します。必要以上に頭皮を傷つけることなく、移植に必要な株のみを採取することができる点が特長です。そして髪を生やしたい場所に、毛髪の向きや流れ、密度を見定めながら丁寧に植え替えていくのです。

40dai後頭部から頭頂部へ移植した例(40代男性)。採取した部分も移植した部分も、違和感は全然ない

 

ストリップ法だと切除や縫合で、何日も痛みが残ったり、移植した場所が腫れたりといった、患者様の身体的負担が比較的大きな手術となります。また、ドナーとなった皮膚の隙間は、残った部分を引っ張って縫い合わせなければならないので、線上の大きな傷あとが残ってしまうことが大きなデメリットです。

MIARI法はそのようなリスクを極めて抑えた手術です。唯一痛いとすれば、後頭部への局所麻酔ですが、こちらも鎮静剤や睡眠導入剤などの併用により極力、痛みを減らすことに努めています。通院は手術日と翌日、包帯を取るために一回来ていただくだけです。移植した毛髪が自然な状態になるには4~6か月ほどかかりますが、生えそろってしまえば問題ありません。年齢制限も特になく、10代~80代までの患者様が実際に手術を受けられています。患者さんからは「痛みはほとんどなかった」「事後のメンテナンスがないので楽」という感想が多く聞かれます。

mirai
極細のパンチで1株ずつ抜いて植え替える「MIRAI」方式

◆精密な移植のために道具をカスタマイズ

私は外科医として、がんや遺伝子の研究をしていたのですが、患者さんと関わりたいと思い、模索していた中で植毛に出会いました。日本の自毛植毛の歴史は古く、1939年に火傷による脱毛部分への最初の皮膚移植が行われています。でも、AGA治療の一つとしての植毛は発展途上で、自分で切り拓いていける分野だと思ったのです。

MIRAIのような植毛法は「FUE法」といって以前からあったのですが、毛髪を一株ずつというのではなく、もっと広範囲をパンチで抜く方式でした。私は患者さんへの負担が少なく、より自然な移植をしたいと考え、パンチの刃の大きさや形状、毛髪を差し込む機械などを、より緻密な作業ができるようメーカーにお願いしました。自分で既製品のピンセットを削って使いやすくすることもあります。

目的にかなった道具は手術時間の短縮につながります。患者さんの負担減だけでなく、細胞を新鮮な状態で移植できます。毛髪も一つの臓器のようなものですから、体から離れている「虚血時間」が長ければ死んでしまうこともあります。使いやすく精密な機材があれば、技術の均質化にも貢献しますから、多くの医師に活用してもらうことができるでしょう。

最近は育毛のためのさまざまな素材が出てきて、何を選んだらいいのか判断に困っている人も少なくないでしょう。エビデンスに乏しい治療法で回り道してしまうようなら、一度ご相談に来てみてください。外科医の立場から解決の糸口を提供できれば、嬉しく思います。

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頭皮へのリスクが非常に小さい音田院長の自毛植毛は、定着してしまえば髪形を変えたり整髪料や育毛剤を使ったりすることも問題ない。料金は1000株(標準的な移植数)程度で150万円ほどになるというが、モニター制度などを利用すれば何割か安くなるとのこと。術後にバレたくない人には、専任の美容師がウイッグを作ってくれるなどアフターケアも充実。同院では治療だけでなく生活習慣全般のアドバイスなども行っている。

 

DSC_9557音田正光(おんだ・まさみつ)/親和クリニック総院長。医学博士/福島県立医科大学医学部卒業。米国留学後、日本医科大学、東京都内の植毛クリニックなどで勤務。2014年、親和クリニック新宿を開設し、院長に就任。2015年から現職。
著書に『薄毛革命 「自毛主義」のすすめ』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

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